スイス人の誕生日

1年に1回、誰にでも来る誕生日。年をとるとあんまり嬉しくもなくなって来るが、スイスでは家族はもちろん、友人、知人の誕生日を忘れることはご法度。
親しければ親しいほど、大事になるので、多くのスイス人はカレンダーに書き込んでいる。
とはいえ、大きなプレゼントやパーティーをするというわけではなく、電話でお祝いをするか、メールやSNSでの祝福メッセージ、誕生日カードを送るなど、ちょっとしたお祝いメッセージで良い。最近ではほとんどの人がwhat’s upやLINEでのメッセージではないかなと思う。
それでも、誕生日に友人から電話があり、わざわざかけてきてくれていると思うと嬉しい。
それゆえ、友人の誕生日を忘れた人が非常に焦っているのを見ることもある。電話するには遅いし、カードも間に合わない。もうSNSメッセージしかない。便利になったものだと思う。

これが子供の誕生日になると話は違う。親は1ヶ月くらい前から、何をするか誰を招待するかなどを考え、招待状を準備する。送るタイミング、出欠状況の確認までしたら準備開始。
幼稚園くらいであれば、家に招いて遊んでケーキを食べてプレゼントを開けて盛り上がる。余興も必要なときもあり、自身も手品をやらされた経験がある。真剣にやらないと、子供達は見抜くので、手が抜けない。

高学年になると、大人数でのパーティーは終わり、数人中の良い友人だけを招いて、ボーリングや映画に招待したり、ビリヤードに行ったり、各種娯楽施設に招待し祝う。これも予約をしなけれないけないし、なかなか大変だ。当日親が連れて来るのか、子供が自分で来るのか、帰りに送っていかねばならないのか、これも課題。
これにも飽きたら、今度は友人宅での宿泊パーティー。男の子はゲームをして映画も見て、遅くまで起きてどんちゃん騒ぎ。
18歳ともなれば、親は家から追い出され、子供と子供の友人に貸し切り状態にされるのも良く聞く。

大人になれば、20歳、30歳、40歳、と0のつく節目の誕生日では、大きなパーティーをするのが特徴。レストランを貸し切るか、集会所のような場所を借りて、誕生会を開く。
自分も何度も呼ばれているが、これはこれでなかなか大掛かりで、結婚式の2次会並み。

このように大人から子供まで、スイス人の誕生日は重要イベントの一つだ。
日本人のように、忙しくて自分の誕生日を忘れていたなんて人はいない。それもそのはず、学校や職場では、誕生日を迎える本人がケーキを持参し振る舞うからだ。
友人が増えるたびに、誕生日会が増えると思った方がいいスイス生活。ストレスにならない程度に楽しみたい。
ちなみに誕生日より前に、「おめでとう!」と祝福するのもご法度である。くれぐれも大事な人の誕生日は間違えないように。