サッカーW杯にみる国柄


現在、サーカーW杯が開催されていて、連日各地で盛り上がっている。
我が日本とスイスは、ともに1勝1分けと健闘していて、面白くなってきている。

さて、スイスは、第1戦目のブラジルとの引分けに続き、第2戦目に逆転勝利を収めたが、不穏な空気が漂っている。
スイスのジャカとシャチリが、ゴールパフォーマンスの際にアルバニアの国旗にある双頭の鷲のポーズをし、政治的な煽りをセルビアにしたとして、FIFAから処分を受けそうな状況になっている。2人はアルバニアにルーツを持つスイス代表選手。
これについて、ほとんどのスイス人が、スイス代表として戦っているのに、何でアルバニアの問題を持ち出すのか?と批判的な意見が多い。ビデオを見返すと、チームメートまでも真似してやっていたということだ。確かにW杯の舞台で逆転すれば、興奮してしまうのは仕方ない。
それでも、スポーツマンシップ、差別や偏見のない世界をスローガンに掲げているのに、この行動は残念ではある。子供たちも多く見ている中で、これを真似したり、アルバニア系の子供をからかったり、そうしたことが起こるのは想像に難くない。

こうした事象を見るたびに、欧州での複雑な歴史的背景が浮かんでくる。戦闘地から逃れてきた難民を受け入れているスイスでは、スイス国内での民族対立も起きて、非常に根深い問題だ。スポーツの祭典では、政治的主張をしないというルールだが、それを逆手に取れば、今回のような政治的な主張を表現するには、最も目立つ場所になるわけで、その影響は良くも悪くも大きなものになる。

せっかくの逆転劇にケチがついた格好になるが、何らかの処分を受け入れることになるのかもしれない。
次の試合は、逆境に立たされてしまったスイス。少し落ち着きを取り戻して欲しい。