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 最近よく見かける赤い車に白で書かれた「Mobility」の社名。どこかの会社の営業車かと思う人も多いが、実はレンタカーでもリースの車でもない、全く新しいスタイルの車の利用法「Car Sharing」として話題の会社だ。

 利用には「Mobility」との契約が必要であるが、1年契約が基本で、年会費は290CHF程度。SBBのHalbtaxaboや年契約の定期券を持っている人なら190CHFになる。どのくらい利用するか分からないので、1年契約をするかどうか迷っている人には、4ヶ月のお試し契約も可能。こちらは70CHF。また、大手スーパーの「MIGROS」M-CUMULUS Karteを持っている人なら、40CHFでお試し契約が出来る。年会費の他に損害保険を申し込んで郵送すれば、Mobilityカードが自宅に郵送され契約完了となる。

 車の予約はインターネットか電話で出来、利用したい日と時間、そして車をピックアップする場所を決める。現在、Mobilityのピックアップポイントは全国で1050箇所あり、駅や役所周辺の割合便利な場所にある。ピックアップポイントにはMobilityのロゴの入った看板が立ててあるので分かりやすい。車種はコンパクトカーから運搬用の大型車まで約10種類あり、その所有台数は2000台にのぼる。利用料金は車の大きさ、使用時間、走行距離によって計算され、カードに全て記録される。

 鍵の受け取りは?というと、契約したカードを車のフロントガラスに張ってあるセンサーにかざすと鍵が開く。鍵は車内に保管されている。わざわざ鍵を取りにいく必要もないわけだ。

einsteigen.jpg (www.mobility.ch)

 そして、通常のレンタカーならガソリンを満タンにして返却するのが普通だが、タンクの3分の1以上入っていればガソリンを入れる必要はない。あとはピックアップポイントに車を戻せば利用が終了。ここで気をつけなければいけないのは、予約した時間を超えてしまった場合、当然追徴金が発生する。それだけではなく、次に車の予約をしている人がいる場合も多いので、迷惑をかけてしまうことにもなる。

 この新しい車の利用法「CarSharing」は、走った距離と利用した時間で料金が決まる事もあって、利用者も無駄な使い方をする事がない。無駄が減るという事は、排気ガスの排出量も当然減り、環境にも自然に配慮されるという一石二鳥なシステムとして話題となっている。「Mobility」の加入者も年々増え、現在77100人。売り上げも伸びている成長企業であるが、車を使うという一見環境に悪そうなビジネスが、Mobilityの利用者が増えることによって、逆にCo2の削減にも繋がるという、良い意味での逆効果が出始めており、今後も注目したい企業である。