学校の保護者会


新学期が始まり、間も無く1ヶ月。
徐々に慣れて来た新1年生もいれば、だんだん馴染めなくなっていく生徒、荒れていく生徒、高学年になればなるほど、思春期に近づけば尚更クラスの雰囲気も変わってくる。
スイスの学校では、ほとんどの学校で2年に一度担任の先生が変わる。日本のように1学年に何クラスもないので、メンバーもほとんど変わらない。
多少の入れ替わりはあり、転校生もいるが、6年間はとにかく同じクラスメイトになる。
変わっていくのは授業内容と担任の先生。

しかし、イレギュラーなケースもあり、先生が産休で休んだりすると、代わりの先生が授業を受け持つこととなる。ただでさえ人材不足の教師という職業だが、自身の子供のクラスの例を見ると、産休中の先生の代わりに、実習を終えたばかりの若い男の先生が2ヶ月弱担任に。それに補助の先生がついているが、補助の先生は、兵役義務を免除するための社会奉仕の学生だ。これはよくあるケースなのか、稀なのかわからないが、あまり聞かない。ただ、半年で2、3人先生が変わると生徒たちもだんだん落ち着きがなくなってくるようだ。

実際に夏休み明けの1ヶ月でクラスは大荒れになっているようで、本当に授業がまともに行われているか疑問を抱いた保護者が、What’s upという日本で言うところのLINEで他の親の意見を募り始めた。既にまとめた意見は、学校の校長に伝え、来週の保護者会に同席してもらうことまで話がついているようだ。
当然、代理の担任の先生にも、その事は耳に入っているはずだが、子供の話を聞く限り改善しようと言う気配はほとんど感じられない。
とにかく、クラスがまとめられないことにイラついて、怒鳴ったり、あまり意味のない罰を与えたりして、いじめや喧嘩が起きているのに、きちんと対処できていないどころか、把握していない場合もあるようで、話を聞く限りではお手上げ状態だ。
秋休みの後は、産休を取っている本来の担任が復帰するので、個人的にはそれほど心配はしていないが、この短期間でのクラスの変化に素早くアクションを起こした保護者たちには感心した。
まだ解決策が見えているわけではないが、これは議論好きのスイス人気質が出ているなと、日本人の自分は思ってしまう。日本の学校であったら、どうなっていたのか?
とにかく、多少オーバーでも、問題の芽を摘むことで、その後改善するケースもあるので、繊細な子供たちの異変を感じた親の行動としては良かったのではないかと思う。

まあどこの学校でも、こうした問題は多かれ少なかれあり、実際、スイスの身内に教師が多くいる我が家はこの手の話を耳にする。
生徒たちもこうした状況を当然よく思っておらず、学校に在籍する心理カウンセラー的な、何か問題があった時に相談できる人がいるそうで、早速生徒数名で集まり面談を申し込んだそうだ。
こうしたところからも、自立していく子供たちの成長が見て取れる。

来週行われる保護者会では、かなり大荒れになりそうな雰囲気だが、荒れるだけではなく、子供たちが集中して授業に取り組める、良い方向に向かって欲しいと願う。