スイス国内でも一番大きなファスナハト(カーニバル)がバーゼルファスナハト。キリスト教の復活祭の40日前、いわゆる断食の前の無礼講のお祭りである。14世紀頃までさかのぼる伝統あるこのバーゼルファスナハトは2月11日の朝4時、モルゲンシュトライヒとともに幕開けした。祭りもいよいよ最終日の3日目。天気にも恵まれ街はファスナハト一色。1年で最も活気のあるバーゼルだ。

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 山車に描かれた絵はとりわけ社会風刺。特に政治ネタが多いが、かなりの皮肉を込めて描かれたものもあり、見ている方は楽しいが描かれている方々はどんな心境だろうか。

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 祭りで見かけるこの頭のでかいなまはげみたいなのは、WAGGIS(ワッギス)。行進しているものもいれば、屋台の上からオレンジを投げているものまであちこちにいる。屋台に近づいて飴やオレンジをもらおうとすると、紙ふぶきを投げつけられる。路上でも子供ワッギスが隙を見て容赦なく投げつけてくる。そのため地面は紙ふぶきで埋め尽くされる。

 また、Blaggeddeと言うバッジを付けていないと間違いなく狙われる。このバッジは翌年のファスナハトの資金になるもので、祭りに参加しているという証でもある。価格は金が45フラン、銀が15フラン、銅が8フランで毎年デザインとテーマが変わる。コレクションしている人もいる。

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 静かに行進しているのはまた別のグループ。太鼓とフルートの演奏でお祭りを盛り上げてくれる。近くで聞くとなかなか迫力があり、息のぴったり合ったなかなかの演奏だ。それもそのはず、この祭りのために各グループは、演奏の練習を1年も前から準備している。秋から年末になると練習量も増え、小学校の体育館などから音が聞こえてくる。このお祭りにかけるバーゼルっ子の意気込みが感じられる。

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 例年より人出が少ないと言われたバーゼルファスナハトだが、街中は人だらけで活気に満ち溢れていた。感心するのは、毎年この祭りの後地面に残った紙ふぶきやゴミがあっという間になくなること。バーゼル人らしい几帳面な?ところがしっかりと出ているような気がする。